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お茶でも飲んで、ほっと一息ついてみませんか?

日本茶とは日本で作られた緑茶のこと。実は玉露や抹茶も日本茶の分類に含まれます。日本茶と緑茶の違いが気になる人は必見です。

急須でお茶を注いでいる写真

皆さんはお茶と聞いて何を思い浮かべますか?

玉露、抹茶、日本茶、紅茶、ハーブティーなどなど・・・。

そもそもお茶とはツバキ科に属する「茶の木」の葉から作られた飲み物のこと。紅茶や烏龍茶、緑茶がそれにあたります。

今回は日本の生活に根付いたお茶「日本茶」がどんなお茶なのか、解き明かしていきましょう!

日本茶とは?

日本茶とは文字通り日本で作られているお茶を総じて日本茶と呼びます。

日本では昔から緑茶が生産され飲まれてきました。そのため、認識としては日本で作られた緑茶=日本茶という考えが定着しています。

最近では日本で生産される紅茶、通称「和紅茶」も広く考えれば日本茶に含まれますが、日常会話では緑茶という意味が一般的です。

ということは、もし数十年後に日本で多く飲まれているのが紅茶なら、日本茶=紅茶になっているかもしれませんね!

ちなみに緑茶やお茶ではなく「日本茶」と呼ぶのは、中国茶や紅茶など海外産のお茶と区別する必要があったからです。

他にも、元から日本にあったものは「日本○○」や「和○○」と呼んで海外のものと分けています。

例:日本酒や和服、和菓子

続いて日本茶の特徴について見ていきましょう。

日本茶(緑茶)は他のお茶とどこが違うの?

はてな

冒頭でも述べましたがお茶は「茶の木」の葉から作られた飲み物です。そのため、紅茶や烏龍茶、緑茶は全て同じ材料から作られています。

それでは、日本茶と紅茶や海外の緑茶の違いは何なのでしょうか。

次は日本で作られる緑茶を

日本茶の特徴

  • 製法
  • 品種

の2つから見ていきましょう!

茶葉を蒸して酸化を止める製法は日本茶特有

元々緑茶は紅茶や烏龍茶と違い、摘んだ葉をすぐに加熱させて酸化酵素の働きを止めます。

これで発酵が止まると葉緑素(クロロフィル)も酸化しないため、茶葉が緑色のままになるんです。一方、烏龍茶や紅茶は発酵させるので茶葉の色が変化します。

日本の緑茶で特徴的なのは、酸化を止める加熱を蒸して行っていることです。茶葉を蒸すやり方は他の国の緑茶には見られません。例えば、中国の緑茶は釜で炒める手法をとっています。

つまり、収穫された茶葉は摘まれると酸化が始まる前に大型の機械で蒸され、普段私たちが飲んでいる緑茶になるんです。

※日本でも一部釜炒り茶が生産されており、九州のうれしの茶などが有名。

日本茶の茶葉はほとんどが「やぶきた」という品種

茶葉の写真

日本で登録されているお茶の木は60種類以上の品種がありますが、私たちが飲む日本茶のほとんどが「やぶきた」という品種から作られます。

この「やぶきた」は茶園面積の75%を占めています(農林水産省「(7)茶」)。

SNSで例えると、お茶界のLINEみたいな品種なんです(笑)。

「やぶきた」がここまで普及したのは、寒さへの耐性と品質の良い茶葉をたくさん収穫できるためです。昭和30年代にお茶の品評会で知名度を高め、以後多くの茶園で栽培されるようになります。

「やぶきた」が重点的に扱われたため、「やぶきた」に合わせた栽培方法や加工技術が向上し、日本のお茶産業の安定化につながりました

しかし、現在は茶園の高樹齢化が進んでいることやニーズの多様化によって「やぶきた」以外の品種にもスポットライトが当てられ始めています。

例えば、紅茶用の茶葉として作られた「べにふうき」や病害虫に抵抗性がある「なんめい」などを導入することで、日本茶の需要拡大を目指しています(農林水産省「新品種・新技術の開発・保護・普及の方針 茶(PDF)」)。

日本茶(緑茶)の種類は栽培や加工で分類される

それでは日本の緑茶にどんな種類があるのか見ていきましょう!

先ほどの「やぶきた」はお茶の木の品種でしたが、よく耳にする玉露や煎茶、抹茶というのは、実は茶葉の栽培方法や加工方法で分類されたお茶のことなんです。

以下のリストにまとめてみました。

日本茶(日本で作られる緑茶):蒸して酵素の働きを止めたお茶

  • 煎茶:新芽を蒸して揉んで作られる、最も日本で飲まれているお茶

  • 玉露:収穫前に20日ほど被覆栽培(日光に当てない栽培方法)し、煎茶と同じように製造したお茶

  • かぶせ茶:収穫前に1週間ほど被覆栽培して煎茶と同じように製造したお茶

  • 碾茶(てんちゃ):収穫前に3~4週間ほど被覆栽培して、揉まずに乾燥させ茎などを除いたお茶

    • 抹茶:碾茶を粉状にしたお茶
  • 蒸し製玉緑茶:蒸し、精揉をせずに勾玉(まがたま)状になった茶葉が特徴的なお茶。ぐり茶とも呼ばれる

  • 番茶:煎茶と同じ製法で硬くなった新芽や茎などで作るお茶

  • ほうじ茶:番茶や煎茶を強火で炒ったお茶

  • 出物(でもの)のお茶:煎茶や玉露を加工する際に出た茶葉からつくられたお茶

    • 粉茶:煎茶や玉露の茶葉から出た粉を材料にお寿司屋さんなどでよくでるお茶
    • 茎茶:加工時に出た茶葉の茎だけを使って作られるお茶
    • 芽茶:玉露や煎茶の茶葉から芽の先の部分を使ったお茶
  • 玄米茶:茶葉に炒った玄米を加えたお茶

  • 釜炒り茶:中国茶の製法に近く釜で炒って酸化を止めるお茶

普段飲んでいる緑茶にこれだけ種類があるのは驚きですよね。それだけお茶には製法や栽培方法が複雑なんです。

ちなみに、よく聞く「宇治茶」や「八女茶」というのは産地(ブランド)の違いです。例えば、同じ煎茶でも京都の宇治で作られたお茶は宇治茶、福岡の八女で作られたお茶は八女茶と呼ばれます。

海外でも緑茶(日本茶)は飲まれている!?

飲み物を飲んでいる女性

日本茶は国内だけでしか飲まれていないのかと思いきや、実は海外でもアメリカやシンガポールを中心に日本茶へ関心が高まっています。

例えば、2011年と2018年には世界緑茶コンテストで長崎県の「そのぎ茶」が優勝!

そのぎ茶についてはこちらの記事をご覧ください。

また数字で見ると、2018年の東京税関の調査では、過去最高の144億円という全国輸出金額を記録しました(東京税関「海外で日本の「緑茶」が大人気!?(PDF)」)。このように、健康への関心や日本食ブームの波に乗り、日本茶も人気を集めています。

しかし一方で、新たな市場として注目されているEUでは食文化などの違いから、「嗜好に合わない」といった課題も。

海外の方の嗜好にも合うような香りを持つ「萎凋香緑茶(いちょうかりょくちゃ)」を育成するほか、現地の農薬検査基準をクリアできるよう茶葉の生産体制を整えるといった取り組みが行われています(農林水産省「茶の輸出戦略(PDF)」)。

ちなみに萎凋香緑茶というのは、紅茶や烏龍茶と同じように少し酸化させて香りを付けた緑茶のことです。

政府は2020年までに、お茶の海外輸出額を150億円にするという目標を掲げているので、今後どんとん新しいお茶が誕生していくことでしょう。

日本茶(緑茶)のまとめ

日本茶のまとめ

ふと考えたらあいまいに感じる日本茶ですが、一般的には「日本で作られた緑茶」という意味で使われます。

日本茶の特徴はほとんどが、蒸して加工され「やぶきた」という品種が使われていることです。最近では「やぶきた」以外の品種も開発が進められています。
※一部釜炒り製のお茶や他の品種を使ったお茶もあります

日本茶は海外にも需要が高まっているので、今後も新しいニーズに対応した日本茶が登場すると思うとワクワクしますね!

CHAzineではあなたの日常を彩るお茶を紹介しています。ぜひ自分に合った、ひと息つけるお茶を探してみてください。

参考

参考サイト

参考図書

  • 日本茶のすべてがわかる本-日本茶検定公式テキスト
  • 日本茶の図鑑
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