CHAzine

お茶でも飲んで、ほっと一息ついてみませんか?

うれしの茶(嬉野茶)は香りとコクが強いまろやかなお茶。5年連続日本一に選ばれた評価の高いお茶です。

釜炒り茶発祥の地 うれしの茶

うれしの茶の産地、嬉野は室町時代からお茶の産地として有名です。

その歴史は古く、「釜炒り茶」発祥の地としても知られています。

現在は、蒸し製玉緑茶の生産が中心で、5年連続日本一に輝いた評価の高い銘柄です。

また近年は、玉緑茶の機械で作られた「うれしの和紅茶」が注目を集めています。

香ばしさが特徴で、ストレートで飲むのがおすすめの紅茶です。

この記事では、蒸し製玉緑茶や釜炒り茶、和紅茶といった種類や、500年にも渡る歴史、嬉野の観光スポットなどをわかりやすくまとめました。

そもそも「うれしの茶」ってなに?

そもそも「うれしの茶」とは?

うれしの茶は、九州の佐賀県嬉野市という地域を中心に生産されているお茶のことです。

嬉野では主に、蒸し製玉緑茶釜炒り玉緑茶玉露和紅茶などのお茶が製造されています。

「うれしの茶」と呼んでよい条件は、JAさがのWebサイトでは以下のように定義されています。

うれしの茶は、2002年に「佐賀県または長崎県において生産された原料茶を100%使用し仕上げ加工した茶を統一銘柄「うれしの茶(嬉野茶)」とし、50%以上100%未満使用を「うれしの茶ブレンド(嬉野茶ブレンド)」としています。

(引用元:お茶・うれしの茶(嬉野茶)|農畜産物紹介|佐賀の農畜産物|JAさが 佐賀県農業協同組合

つまり「うれしの茶」として販売されている商品は、嬉野産の茶葉を100%使用しているということです。

こうした定義づけは、公益社団法人日本茶業中央会が2009年に発表した「緑茶の表示基準」(PDF)でも規定されています。他の銘柄でも同じなんですね。

また、うれしの茶は2008年6月に「うれしの茶」として地域団体商標を取得しました。

地域団体商標を取得している銘柄は以下の記事でまとめていますので、興味のある方は合わせてご覧ください。

「お茶・温泉・陶磁器」が有名な町

「お茶・温泉・陶磁器」の町

佐賀県南西部に位置する嬉野市は、全国有数のお茶どころです。

なだらかな山々に囲まれた嬉野盆地は、昼夜の気温差があり霧が深く、お茶の栽培にぴったりな気候風土です。

この地域では、お茶のほかにもイチゴやお米、キュウリ、ネギなどの農産物も生産されています。

また嬉野は、「肥前吉田焼(ひぜんよしだやき)」という陶磁器の産地としても有名で、日本三大美肌の湯のひとつとされる「嬉野温泉」が湧き出る温泉地でもあります。

ちなみに山を隔てて隣接している長崎県の東彼杵(ひがしそのぎ) と呼ばれる地域も、古くからのお茶の産地です。

そこでつくられるお茶は「そのぎ茶」と呼ばれています。

そのぎ茶について、もっと知りたい人は以下の記事も合わせてご覧ください。

ほっとワード!「うれしの茶」

ここでは、うれしの茶にまつわるトピックをご紹介します。

「蒸し製玉緑茶」の一大産地

「蒸し製玉緑茶」の一大産地

蒸し製玉緑茶(むしせいたまりょくちゃ)」は、主に九州地方で生産されているお茶です。

日本茶全体で見ると蒸し製玉緑茶の割合はごくわずかですが、嬉野で生産されるお茶の約95% が「蒸し製玉緑茶」として加工・販売されています。

せっかくなので「蒸し製玉緑茶」について、簡単に説明しておきますね。

お茶は摘み取った瞬間から発酵が始まります。

ウーロン茶や紅茶など、発酵させて作るお茶もありますが、緑茶の場合は熱を加えて発酵を止める必要があります

蒸し製とは、茶葉の発酵を止める際に蒸したお茶のことです。日本茶のほとんどは蒸し製です。

また、最大の特徴はその形です。

一般的な緑茶は、茶葉をまっすぐ整えるために精揉(せいじゅう)と呼ばれる作業を行いますが、玉緑茶の加工工程では、精揉を行いません

まっすぐに整える工程がないので、丸まった形をしているのが玉緑茶の特徴です。

蒸し製玉緑茶の味は?

嬉野で作られる蒸し製玉緑茶は、豊かな香りまろやかな旨みが特徴です。

精揉を行わないことで、渋みが少なく甘みのあるお茶に仕上がります。

また、ぐりっと丸まった茶葉は、急須の中で時間をかけてゆっくりと開いていきます。

何度か入れるたびに、味や香りの変化を楽しめるお茶です。

品評会にて5年連続日本一を受賞

うれしの茶は全国茶品評会 蒸し製玉緑茶部門にて、日本一である農林水産大臣賞を5年連続で受賞したこともある評価の高いお茶です。

近年は、隣接する東彼杵町が生産する「そのぎ茶」が頭角を現しており、残念ながら受賞からは遠ざかってしまっていますが、2019年度の品評会での成績が気になるところですね。

「釜炒り茶」発祥の地

「釜炒り茶」発祥の地

嬉野は 「釜炒り茶」の発祥の地として知られています。

釜炒り製法による加工は、中国から来た陶工が嬉野の人々に伝えたのが始まりとされています。

そうした歴史的背景から、釜炒り茶は嬉野をはじめとする九州地方で作られるようになりました。

ちなみに嬉野で使われている釜は、釜炒り茶専用の釜で、傾けて使用するのが特徴です。

それにより、他の地域でつくる釜炒り茶よりも丸まった形になります。

今では希少な「うれしの釜炒り茶」

かつては釜炒り茶の産地として有名だった嬉野ですが、現在釜炒り製法によって加工されたお茶は、うれしの茶の総生産量の約5%ほどです。

九州地方で生産されている釜炒り茶を合計しても、日本で作られているお茶の総生産量の0.5%程度にしかなりません。

釜炒り茶は、代々受け継がれてきた技術を身につけた職人さんが、手間暇かけて丁寧に作り上げるお茶です。

ただでさえ急須で入れるお茶があまり飲まれなくなった時代なので、釜炒り茶の低迷はやむを得ないのかもしれませんね。

嬉野では、歴史ある釜炒り茶の伝統を後世に受け継ぐために「釜炒り茶保存会」が保存・継承活動を行っています。

ブームの兆し!「うれしの和紅茶」に注目

ブームの兆し!「うれしの和紅茶」に注目

うれしの茶は、蒸し製玉緑茶や釜炒り茶などの緑茶だけでなく、紅茶も生産されています。

うれしの紅茶振興協議会によると、以下のような定義があるようです。

うれしの紅茶とは、無農薬または農薬を必要最低限だけ使用して作られた「和紅茶」です。 佐賀県嬉野市で玉緑茶の製造機械を使って生産された紅茶を「うれしの紅茶」と呼びます。

(引用元:http://ureshinocha.jp/about/about_top.php)

上の引用文にあるように「うれしの和紅茶」とは、ほぼ無農薬で栽培された葉を玉緑茶の機械で加工した嬉野産の紅茶です。

うれしの和紅茶はどんな味?

海外産に比べて、日本で栽培・加工された紅茶は優しい甘みが特徴で、日本の緑茶に慣れ親しんだ日本人の舌に合うと言われています。

特に、うれしの和紅茶は香ばしさが特徴なので、砂糖やミルクを入れずにストレートで飲むのがおすすめです。

うれしの和紅茶 消滅と復活の歴史

実は嬉野では、明治と昭和の一時期に輸出用として紅茶を生産していたことがありました。

しかし、1971年に紅茶の輸入自由化が行われ、国産紅茶の生産はほぼ消滅したそうです。

ふたたび嬉野で紅茶が生産されるようになったのは、20年ほど前のこと。

当時は誰も紅茶を生産するすべを知らなかったので、完成するまで数年かかったそうです。

現在、うれしの和紅茶の生産量は約20トンです。

減少している釜炒り茶でさえ県内で50トンも生産されているので、嬉野の名産品と呼ぶにはまだまだといったところでしょうか。

2009年には、若い世代の生産者たちによって「うれしの紅茶振興協議会」が発足し、うれしの和紅茶のブランド化を推進しています。

「うれしの玉露」は幻の玉露

幻の「うれしの玉露」

有名なのは蒸し製玉緑茶や釜炒り茶ですが、嬉野では玉露白折深蒸し茶ほうじ茶抹茶なども作られています。

嬉野では、4月中旬から新茶の収穫が始まり、1年で4回収穫するのが一般的です。

そのうちの1回目を蒸し製玉緑茶、深蒸し茶などに加工し、それ以降をほうじ茶や紅茶、番茶として加工する農家さんが多いようです。

といっても、うれしの茶はほとんど蒸し製玉緑茶として生産・販売されているので、その他のお茶の生産量はかなり少ないです。

特に嬉野産の玉露は希少価値が高く、「幻の玉露」なんて呼ばれることもあるくらいです。

ちなみに、玉露といえば日本一の玉露と称される八女茶が有名ですが、嬉野と八女は距離的には割と近いんですよね。

車で1時間弱の距離です。

八女茶についてはこちらの記事をご覧ください。

嬉野の伝統文化を伝えるプロジェクト「嬉野茶時」とは?

嬉野の伝統文化を伝える?「嬉野茶時」とは

嬉野には「うれしの茶」・「肥前吉田焼」・「嬉野温泉」という伝統的な文化があります。

嬉野茶時(うれしのちゃどき)」は、歴史ある嬉野の伝統文化を後世に伝えるプロジェクトです。

7名のお茶農家さんが参加しており、同じくプロジェクトに参加している旅館にて「嬉野茶寮(うれしのさりょう)」という喫茶体験イベントなどを開催しています。

このような喫茶イベントは、規模の大小に差はありますが不定期で行っているようです。

最新情報は嬉野茶時のFacebookページをご覧ください。

また、嬉野茶時 公式オンラインショップでは、茶葉の販売も行っています。

7つの茶園で収穫した新茶をブレンドした商品もあるんですよ!ぜひ飲んでみたいですよね!

ちなみに、以前コラボ企画があった関係で、なんと東京でも嬉野茶時のお茶を飲める場所があります。

東京でうれしの茶が飲める場所

ANAインターコンチネンタル東京

マンダリンオリエンタル東京

  • 場所:マンダリンバー
  • 公式オンラインショップで販売している茶葉のドリンクを提供(青ほうじ茶【焔】、玄米茶【仄】、釜炒り茶【伝】、柚子緑茶【柑】)

また、京都の「Master Recipe」というお店でも、嬉野茶時の商品を取り扱っています。

うれしの茶 500年の歴史

うれしの茶 500年の歴史

うれしの茶の歴史は古く、なんと500年以上もの歴史があります。

ここからは、嬉野がお茶の産地として有名になった経緯を見ていきましょう。

中国からお茶の栽培が伝わる

うれしの茶の始まりは、室町時代。

1440年に、日本にやってきた明(当時の中国)の陶工が、お茶の栽培に適した地を求めて、なだらかな山々に囲まれた嬉野を拠点としました。

そして嬉野の人々に、陶器を焼く技術お茶の栽培方法を伝えたことが、うれしの茶の始まりです。

1440年頃というと、足利義満や義政が政権を握っていた時代です。

当時は日明貿易が盛んに行われていた時代で、日本国内でも中国文化が流行っていたようですね。

釜炒り製茶法が伝わる

それから約60年後の1504年、明からやって来た別の陶工によって、南京釜でお茶を加工する方法が伝承されました。

それが嬉野の伝統特産品である「釜炒り茶」です。釜炒り茶は当時の明で流行っていた製茶方法だったようです。

鍋島藩士 吉村新兵衛のおかげで名産品に

その後、お茶を嬉野の名産品として産業化したのが、鍋島藩士 吉村新兵衛(よしむらしんべえ)という人物です。

吉村新兵衛は、当時統治していた地区を開墾してお茶の栽培を始め、釜炒り茶の製法を改良して広めるなど、お茶の産業化に尽力しました。

その後、販売しやすいように商品化され、うれしの茶は海外にも輸出されるほどの名産品となりました。

吉村新兵衛の大茶樹

吉村新兵衛が当時まいたと言われている茶の木は、今もなお、不動山の皿屋谷(さらやたに)という場所に現存しています。

大茶樹(だいちゃじゅ)」と呼ばれる茶の木は、なんと樹齢350年以上!

これは世界的にも珍しく、大正15年に国の天然記念物に指定されています。

嬉野観光 おすすめスポット

嬉野観光 おすすめスポット

ここまで読んで嬉野に行ってみたくなっちゃった人ー!はい、わたしです!(笑)

嬉野に行くなら絶対に外せない観光スポットをご紹介します。

うれしの茶交流館「チャオシル」

2018年4月にオープンした「うれしの茶交流館『チャオシル』」は、お茶について学べる施設です。

お茶の歴史についての展示があったり、工場見学や茶摘み体験、手もみ体験などができます。

喫茶コーナーでは、うれしの茶と嬉野名物のお菓子セットを販売しています。

ちなみに毎週火曜日は定休日なので、気をつけてくださいね。

詳しくは嬉野市の公式ページをご覧ください。

中島美香園「茶家 6JIZOU」

うれしの茶を使ったスイーツが食べられるお店は外せませんね!

中島美香園が手掛ける「茶家 6JIZOU」は、お茶の販売店に併設したカフェです。

自社で製造・加工したお茶を販売しているほか、店頭で食べられるうれしの茶を使ったジェラートが人気です。

味は抹茶やほうじ茶、紅茶などがあります。

茶葉を買ってからジェラートを食べるもよし、ジェラートを食べてから茶葉を選ぶもよしです!(笑)

その他、お祭りや市場などのイベント時期に合わせて行くのもいいですね。

うれしの茶を購入するには

うれしの茶を購入するには

うれしの茶の茶葉を購入する方法は、お店で買うかネットで買うかの2択です。

お店で買うメリットは、ズバリ「試飲」ができること。

しかし、うれしの茶専門店のほとんどが佐賀県内にあるため、東京や大阪のお茶屋さんでお目当ての商品を探すのは大変です。

なので九州以外にお住まいの方はネットストアで購入するのがおすすめです。

ちなみに嬉野市のふるさと納税の返礼品として、うれしの茶をもらう手もあります。(笑)

うれしの茶のギフトを贈りたい

「お茶は飲むけど、お茶屋さんで買ったことない・・・。」という人、結構多いと思います。

お茶はプレゼントにもぴったりです。

お茶はおじいちゃんおばあちゃんの飲み物、というイメージがある人もいると思いますが、最近ではパッケージがかわいい商品なども多数販売されています。

茶葉にこだわれば、毎日のティータイムが贅沢な時間になりますよ。

片付け楽ちん!ティーバッグのうれしの茶

「急須で入れるお茶はちょっと面倒だな・・・。」という人には、ティーバッグで入れるお茶がおすすめです。

うれしの茶のティーバッグ商品も数多く販売されています。

急須って洗うの面倒だし、ひとり暮らしだと急須が家にない場合も多いですよね。

もっと手軽に!ペットボトルのうれしの茶

うれしの茶をもっと手軽に味わいたい人には、ペットボトルの商品もおすすめです。

「茶葉を買う前に、試しに飲んでみたい!」という人はぜひ検討してみてくださいね。

うれしの茶のまとめ

うれしの茶のまとめ

うれしの茶は佐賀県嬉野市周辺で生産されるお茶です。

500年の歴史を持ち、5年連続日本一に輝いた蒸し製玉緑茶や伝統ある釜炒り茶のほか、和紅茶玉露も生産しています。

また、玉緑茶に分類されるお茶なので、1杯目、2杯目と、入れるたびに変化する味や香りが楽しめます。

参考

© 2019 Eimee Inc.